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救急搬送されたのに10代で死ぬなんて!神奈川県立こども医療センターで手術後に10代男性死亡

2024年05月08日 | コラム

医療過誤か、10代男性死亡 神奈川、事故調査委設置へ
 2024年5月2日 (木)配信共同通信社

 神奈川県立こども医療センター(横浜市)は1日、2月に緊急入院し、手術後に死亡した10代男性患者について、医療過誤の可能性があると明らかにした。予期しない事態だったとして、事故調査委員会を設置し、適切な治療が行われたかどうか調査するとしている。

 センターによると、男性は体の痛みを訴え、緊急入院した。血圧の変動もあり、入院翌日に外科手術する予定で、点滴投与や人工呼吸器などで管理していたが、手術直前に意識不明になった。手術は予定通り行い、集中治療室(ICU)で治療を続けていたところ、17日後に死亡したという。

 男性は入院前からセンターに通院していた。記者会見したセンターの永渕弘之副院長は「患者さまとご家族に心よりお悔やみ申し上げる。事故調査委員会の第三者の目でしっかり判断していただきたい」と話した。

10代の男性に何が起こったのか、この記事だけでは不明ですが、緊急手術が遅かったということだとすれば、当事務所にも全く同じ経過で40代でなくなった女性の相談が来ました。

その女性も、2日前まで元気に焼き肉が食べられていたのに、「急に体の痛み」(お腹が痛い)を訴え、CT検査をされた病院では、「外科手術をする予定」で大きな大学病院に救急搬送され「緊急入院」になりました。体の痛みは激烈で、痛み止めも効かない状態で、もう一度行われていた造影CT検査では、腹水も増加し、超肝浮腫や一部腸管が狭くなっているようなサインがあったのに、胃腸炎ですね!といわれて、外科手術が必要かどうかを決めるのは、まぁゆっくりでいいか、と言われている間に「血圧変動(血圧が急激に低下)」して、心臓が止まりました。

その後、心肺蘇生が行われて何とか心臓は動き出し、何とか緊急外科手術が実施されましたが、小腸がねじれている絞扼性腸閉塞で、小腸が青黒くなっていました。その後、腸を一部切り取りましたが、全身状態は悪化し、さらに壊死している小腸を切除した後、治療の甲斐なく亡くなりました。

報道では、「手術は予定通り行い」と書いてありますが、手術の内容(術式)が予定通りだっただけで、手術を開始する時間はどうだったのか?病院側の報告には小さな嘘がたくさんあるように思います。元気な若年の方が、突然の痛みを訴えて外科手術が必要、というような病態はそれほどたくさんありません・・・急性腹症(外科手術が必要な腹痛)は、見落とされると死に直結します。診断が遅れたのではないかと思います。

それにしても大きな病院に緊急入院していたのに、10代で亡くなるなんて・・・ご両親の辛さを思うと本当に苦しくなります。

何が起こったのか、正しい院内事故調査が果たして行われるのか、続報を注意深く見守りたいと思います。

医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

この記事を書いた⼈(プロフィール)

富永愛法律事務所
医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

弁護士事務所に勤務後、国立大学医学部を卒業。
外科医としての経験を活かし、医事紛争で弱い立場にある患者様やご遺族のために、医療専門の法律事務所を設立。
医療と法律の架け橋になれればと思っています。
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