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東海中央病院、ひとりの医師の手術で3人が出血性ショックで死亡した事故、院内事故調査が終わった⁉️

2024年03月25日 | コラム

「岐阜県各務原市の東海中央病院によると2016年から2022年までの6年間で、同じ男性外科医が執刀したがん患者の手術中に、3人が死亡していた医療事故。いずれも患者の肝臓を切除する手術で、死因は出血性ショックでした。男性外科医は去年6月に自主退職しています。3例とも遺族に説明を終えていて、医療事故調査・支援センターに報告した。松井春雄病院長は文書で、「亡くなられた患者さまのご冥福を祈り、ご遺族に深くお詫びする。再発防止に職員一丸となって取り組む」などとコメント」との続報が報道されている。(Yahoo!ニュース)

これまで医療事故だったのは1件だけだという姿勢を取っていたが、残り2件も事故調査をやっと終えて遺族に説明したという報道だ。ご遺族はその報告に納得されたのか、これまでの病院の対応を見ていると適切な医療事故調査が行われたとは到底考えられないのは私だけだろうか。

事故調査をしているのは、16年2月に死亡した60代の男性患者と、22年2月に死亡した70代の女性患者の事案。手術をする必要があったのか、手術の技術に問題はなかったのかなどについて、外部の医師を交えて検証したということだが、そういった情報を公開し何が問題でどこを改善すべきだったのかの情報が公開されない限り何も変わらない。その内容こそを公開すべきである。

外科医が退職して問題が終わるわけではない。その外科医は、3人も出血多量死を生じさせてしまう腕を持ったまま、別の病院で外科医として働いているのだ。交通事故で3人を轢き殺したドライバーは、再教育しない限り免許を受けられないだろう。外科医はそうではない。その医師免許を持ったまま別のところで、同じように手術を続けるのである。危ないドライバーに運転免許を与えてはいけないことは当然なのに、危ない外科医からメスを取り上げる方法が、この国にはない。

各学会でも、そういった事故症例を集約する機能すらできていない。不適切な医療を適正な方向に向かわせることも、学会の責務であり、それを行わない学会に対して患者や遺族は不信感しか持たないということに早く気づいてほしい。再教育や医者の技術力を客観的に評価できるAIが早く開発され、外科医の技術認定にも活用されることを心から願う。

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医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

この記事を書いた⼈(プロフィール)

富永愛法律事務所
医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

弁護士事務所に勤務後、国立大学医学部を卒業。
外科医としての経験を活かし、医事紛争で弱い立場にある患者様やご遺族のために、医療専門の法律事務所を設立。
医療と法律の架け橋になれればと思っています。
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