60代女性が転倒し、右肩痛を主訴に、整形外科医院を受診しました。脱臼と診断され、局所麻酔を投与されて治療を受けましたが、急に容態が悪化し心肺停止となり転院搬送されました。低酸素脳症に至り意識が回復しないまま、2年後に死亡しました。家族は、局所麻酔の中毒によって低酸素脳症に至ったとして、麻酔の量や投薬の方法、容態悪化後の救護に過失があるとして訴訟提起しました。医院側は低酸素脳症の原因は脳幹梗塞などの疑いもあるとして、局所麻酔の中毒との因果関係を争っていました。京都地裁は麻酔薬の血中濃度などから局所麻酔によって中毒になったと指摘。また救急搬送や救護処置を早期に行っていれば、呼吸停止や心停止に至らなかった可能性は高いとして医院側の過失を認め、約6200万円の損害賠償を命じた。(判決確定)