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先天性心疾患に対して再手術の時期が遅れて児が死亡したケースで裁判上の和解が成立した事例

医療過誤・医療ミス・問題解決事例

相談前

先天性心内膜欠損症・ファロー四徴症対して幼少時に弁置換術を受けていた小学生のお子さんのご遺族の担当弁護士から検討依頼がありました。再手術のタイミングが遅かったのではないか、小児心臓血管外科の協力医が見つからず調査が滞っているので協力してほしいという内容でした。

相談後

カルテを大学病院勤務の小児心臓血管外科医の協力の元検討しましたところ、全身の症状からみて再手術をしなければならないタイミングが遅いとのご指摘をいただきました。話し合いによる解決は難しく、訴訟提起となりましたが、裁判所の勧めもあり、裁判上の和解が成立しました。

富永 愛弁護士からのコメント

先天性心疾患の患者様は、乳児期の手術技術の進歩は目覚ましいものがあります。このケースのように、乳児期に手術をして一旦は完治された患者様が、成長に従って様々な合併症を来たし、再手術が必要になることも増えています。再手術のタイミングについては、心臓だけでなく、肝臓、肺などの多臓器に現れる複雑な症状を正しく評価する必要があります。幸い、協力いただける小児心臓血管外科医の先生が親身になって下さり、問題点を明らかにすることができました。小児心臓血管外科医の専門家は全国的に少なく狭い世界であるため、協力いただける医師を見つけることには非常に困難を伴います。このケースでは、心ある心臓血管外科医の先生の存在が非常に大きかったと感じます。

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医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

この記事を書いた⼈(プロフィール)

富永愛法律事務所
医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

弁護士事務所に勤務後、国立大学医学部を卒業。
外科医としての経験を活かし、医事紛争で弱い立場にある患者様やご遺族のために、医療専門の法律事務所を設立。
医療と法律の架け橋になれればと思っています。
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