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Home 9 判例 9 腹部大動脈瘤腫手術の危険性と死亡率について、十分な説明がなかったとして医師に説明義務違反を認めた

腹部大動脈瘤腫手術の危険性と死亡率について、十分な説明がなかったとして医師に説明義務違反を認めた

東京高裁 平成13年7月18日 判時1672号 114頁
腹部大動脈瘤の手術は身体への侵襲が大きい手術で、手術による死亡率が1割ともいわれた危険なものであった。このケースでは、手術に当たって、患者の承諾を得られないほどの緊急性がある場合でもなかったことから、患者には手術を受けるか否かの選択ができた。その状況で、手術の危険性とそれによる死亡率は、患者家族にとってこの選択をするに当たって最も重視すべき情報であり、特段の事情のない限りその点について十分な説明を行うことは担当医師の当然の責務であるとした。

インフォームド・コンセントは、死亡率の高い手術においては特に重要になる。手術合併症の発症率や、それによる死亡率などについては具体的数字を挙げて説明し、患者に手術を受けるか否かの選択を促すことが必要である。

医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

この記事を書いた⼈(プロフィール)

富永愛法律事務所
医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

弁護士事務所に勤務後、国立大学医学部を卒業。
外科医としての経験を活かし、医事紛争で弱い立場にある患者様やご遺族のために、医療専門の法律事務所を設立。
医療と法律の架け橋になれればと思っています。
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